これから東京でもポップアップストアがもっと増える(はず)

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僕は原宿で働いているので、渋谷区が中心の話ではあるんですけど、昨年後半にForever21がひっそりと閉店したり、竹下通りでもファミマが潰れてETUDE HOUSEが出来たり、STYLENANDAにいつも行列が出来ていたり、毎月のように閉店・新規オープンが続いています。

今年は仕事でもちょっとお世話になっていたSHOPCOUNTERが竹下通りのほぼど真ん中にイベントスペースを作ったりして、第1弾としてカラフルな綿あめでお馴染みの「TOTTI CANDY FACTORY」のポップアップストアがオープン(Bok Gallery 竹下通り)したり、その後もパナップ(アイス)とかRISINGWAVE(香水)とか色々と回していて。

場所はほんとに竹下通りのど真ん中。それが常設店舗じゃなくてポップアップっていうのは個人的に衝撃的だったりします。それをもってちょっとこれからのポップアップショップの可能性というか、路面店やリアル店舗を持つ意味とかを色々と考えた結果、やっぱりポップアップストアが増えるんじゃね?って思ったので、その理由を書いてみたいと思います。

原宿竹下通り

(竹下通り)

リアル店舗の運営が難しい理由

まずはここから、原宿に限らず閉店が増えているリアル店舗の話です。

1.初期費用のハードルが高い。

※分かりやすく不動産用語じゃなくて初期費用って言ってます。

ここ数年は改めて言う必要もないけど中国での人件費の高騰、東南アジア各国もジワジワ上がり、小麦粉も値上がり、アジアの人口増加による食料品の希少化、原油価格の乱高下により船便の航路が閉鎖される、などなどほとんどの商売での原価が上がっているにも関わらず、日本ではデフレや若年層の貧困率が上がって売価の下げ圧力が存在している、という社会情勢があること。(それでも消費者物価指数は上がっているけど)

スタッフを雇う場合、どこも人手不足で時給が上がりつつあるため、飲食店は外国人を含めて探さなくてはいけなくなっている。コミュニケーションもオペレーションも単純な作業が人気。(コンビニだとセブンイレブンやローソンは戦略として外国人採用を進めている)

※東京都の最低時給は2018年10月1日から985円に!(参照:東京労働局

※ちなみにその他の都道府県の最低賃金は厚生労働省のページをチェック

※日本人と同じようにコミュニケーションできて働けている外国人の時給が低いのはどうなん?って思うけどそれは別の話

さらに固定費となる家賃は契約時に半年分の敷金が必要だったり、解約時も半年前通告とか、契約期間の縛りがきつい。(もちろんエリアや不動産によって変動します)

1階の路面店は家賃が高いし、安いからとテナントで入っても上階に行くほど客足は鈍くなるし、テナント(店子)の立場は弱く(特に某交通系の商業施設は昨年対比での売上について厳しい)とか、新店舗オープンにかかるきつい制約ばかりが目につく状況。

つまり、ハードルが高くなっていく現代では家賃と人件費を支払って成立する単価の商売が減っていると言える(実際に飲食店は新規開業より廃業の方が多い)

2.「場所」を作るメリットが少ない

ユーザーにとってECサイト、ショールーミングはもう当然の事ですけど「わざわざお店で買うもの」は確実に減っています。どこかにShopping is Entertainment!なんて言葉もあった通り買い物は確かに楽しい。だけどどこで買っても同じなら送料無料で家まで運んでくれるネットショッピングの方が便利だし、不安なら現物を見てからネットで買えばいいのです。

お店側からするとECサイトと店舗の両方が自社在庫でなければ売上に繋がらないですし、いくら接客しても他社で買われたら全くの無駄、どころかその時間分がマイナスです。商品の単価も人件費や家賃分を考慮した金額を設定せざるを得ず、無茶な値引きはしづらいもののそれでも「安さ」「限定」などのウリを作っていかないといけない。

昔(2010年頃まで)は、ネットが不安だからってお店で実物の洋服や化粧品、食べ物も見て試してからその場で買う人の方が多く、返品も今より圧倒的に少なかったので、現在のように送料が無料で返品できたり、日用品やスーパーで売ってる食品や飲食店のメニューをネット(アプリ)から注文して届けてもらう日が来るなんて思いもしなかった。

こんな時代では希望する「商品」さえ手に出来るなら生産、製造は店舗・倉庫・工場のどこでもかまわないと考える人が増えるのも仕方ないのかもしれない。

裏原やDCブランドが流行っていた2000年前後はAPEのNIGOなど自分たちの居場所として店舗を作ったり、バーや飲食店を作る人も多分にその要素があった。そこには「人」や「商品」や「雰囲気」などそこにしかない価値がたくさんあったのに、と昔話をしても何も解決しないくらいに自体は深刻です。

3.飲食店は地獄

ちょうど詳しく書いている記事がありました。

飲食店経営に手を出して地獄を見る人の「三つの共通点」

店舗を持つことはリスクだ!新しい働き方を見つけだせ!

個別の店舗のリスクを低くして出店する計画を立てていくと、どんどん最大公約数的な、平均点な店が増えていくし、実際にららぽーとなど大手ショッピングモールや百貨店はそのような状況になっているし、フードコートや地方都市など判を押したようなモデルが増えていくし、それは魅力あるまちづくりともならないし、どこに行っても同じだったら人はみんな近い所に行くし、それは経済の停滞にも繋がり、海外からのインバウンド増加にもならない。

東京で言うと、減ったとは言え街に人は溢れているし、イベントや非日常な空間など集まるところには人は集まる。つまり、店舗にもイベント要素が求められていると言えると思うんです。

実際にスナック的な「そこにいる人」が目的となるようなお店は流行っているし、客足も減っていない。「そこにしか売っていない」商品を売っているお店にも人は入っているし、差別化できていないお店が少なくなったからか、ブランディングに成功している事例を相対的にたくさん見かけるようになってきた。

サイゼリヤのように効率を徹底してマンパワーを抑えて回転率で勝負していく店舗と、スナック的な人に会いに行くお店の2パターンがこれから生き残る店舗の特徴となるんじゃないだろうか。

まとめ

ポップアップストアについて、例えばアパレルであればリスクを避けるために

  1. ブランド開始・受注販売
  2. 百貨店の催事出店
  3. セレクトショップで取扱い
  4. 自店舗オープン

と段階を踏んで進めていたのが以前のやり方だったが、現在は

  1. ECサイトをオープン
  2. 期間限定のポップアップストアをオープン

これが無理なく展開できる状態になっている。リスクをできる限りコントロールして、ワンアイデアを形にしたりイベント化する事も容易であり、既存ブランドであっても新商品のみのポップアップストアをマーケティング戦略として展開する事もできる、都心でも場所が余り始めて有効な利用方法を模索する不動産会社も増えているという市場環境にもマッチしているので、これからますます増えていくだろう。

(次はその差別化が必要っぽい)

でも、自社の仕事でいくつかのポップアップストアに関わったり、定期的に店舗イベントをするお店や日常的に新規オープンと閉店が続いている原宿・表参道・渋谷エリアを見ていると、もはや全ての店舗が期間限定のポップアップみたいなものだなぁ、とも感じたりします。

以上。

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