インターネット広告、DSPでお馴染みのフリークアウトから、来場者毎の情報を管理し、イベント前・中・後の各プロモーションにおいて最も効果的なコミュニケーション設計を支援するイベントプラットフォームアプリForYouがリリースされました。
前パブ(告知)からイベント中の参加型企画(サイリウム)に始まり、イベント後のレポートやアーティストからの独占映像、コメント等も含まれてくるでしょう。
イベント・フェス 集客の問題点
今まで、イベントもフェスも単発開催で年に数回の開催に対して新規開発するのはコスパが悪いという状況がありました。かと言って会社やレーベルの垣根を超えて作成するまでには至らず、来場者(観客)のためになる総合的なプロモーション・マーケティングができていなかった。
一言で言うなら、イベントに興味がある人を細かくターゲティングできずに無駄撃ちの広告が多かった。
そこで、来場者データを元に適切なコミュニケーション設計をして
- 濃密なイベント体験の創出
- 企業の顧客資産の最大化
を同時に支援するという目的で開発されたアプリ、それがForYou
フリークアウトは、プライベートDMP「MOTHER」とForYouを連携させる事で、FacebookやTwitterなどへの広告配信がシームレスに行えるように。
さらにForYouアプリ内でのオフライン行動とブラウザ上での行動データとを合わせてDMP「MOTHER」に集約することで、より濃密なユーザーデータを使えて効果的に広告が出せるように。
そしてForYouでは、アプリ内のイベント連動型コンテンツを使って来場者がよりイベントやフェスを楽しめるようにしています。
- スマホをサイリウム化して連動
- 投票・アンケート・クイズ(ユーザー参加型)
- お気に入り通知(アーティスト・イベント・ジャンル)
以上がこのForYouの概要です。
ForYouのターゲットと今後の展開(予想)
このサービスが対象とするイベントは少なくとも1,000人規模で観客が集まるイベント、ライブに限定されるだろう。導入費用がいくらか分からないけど、少なくとも参加者や興味を持っている層にリーチさせるための広告を出稿できる主催者となり、現状は数的に限られてしまう。
フジロック、サマソニ、ロッキンジャパン、ニューアコ等の各種夏フェスに、ミスチルやドリカム、B’zにBIGBANGに海外アーティストなどドームやアリーナクラス。
肉フェス、肉ロックフェス、激辛フェス、ラーメン博などのグルメイベント。
会社にしたらクリエイティブマンとかスマッシュとか、レーベルもSONYとかユニバーサルとか大手に限定されそうです。電通とか絡んでくるのかな?
つまり、テレビCMや交通広告を出している会社が主なターゲットになるはずです。
イベント広告費の配分が変わる
今まで上記の大手からマス広告に流れていた広告費から「ライブやイベントに興味がある」という属性に対してより効果的な広告を出稿できるようになるという事で、これはCDが売れなくて困っている大手レーベルにとってもメリットが出るだろう。
CDを買わなくてもライブに来ると言う10代~20代前半のファンは多い。
また、フェスなどのイベント運営会社についても、フジロックやロッキンジャパンなど車を持ってフェス慣れした年齢層も高い多数万人クラスのイベントだけではなく、若い層が気軽に参加できる数千人クラスの中規模イベントを今後も増やしていく傾向にあるので、すでにファンが付いているマス広告以外の方法で効率よく情報を届けられる手段は必須と言えるだろう。
また、フリークアウトがうまいなと思うのは、すでに運用しているMOTHERと連携させてDSPの「FreakOut」とも含めたことで、ForYouのアプリユーザーがすぐに増えなくても、すでにユーザーの行動データはある程度担保されているって事。
イベント来場者データは、フリークアウトのプライベートDMP(*1)「MOTHER」と「ForYou」を連携させることで、RTB(リアルタイム入札)対応DSP「FreakOut」(*2)を含め、FacebookやTwitter等の広告配信にもシームレスに活用可能です。
そこに、アプリユーザーがプラスされる事で、より精度の高い広告配信+アルファが設定できる事になるし、ForYouはうまく広がれば独占に近いんじゃないだろうか。
今までに無い部分なので、どのくらい効果ができるのか予想しづらいですが、個人的にはすごく楽しみにしています。
ForYouの競合は?
これについては、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスの各社ともに自社で広告を回す仕組みを持っていないので、単独で太刀打ち出来ない範囲です。どこかと協業していかないと。
Yahoo!チケットはそこに対して独自で広告プラットフォームを持っているので、競合として戦える材料はあるはず、どう出てくるのか楽しみにしたいと思います。
また、これだったらコンビニで発券する古い紙チケットよりも、LivePocketなどの電子チケットの方がより親和性がありそうな気がします。
中小規模のイベントで広告を運用するのは中々難しい部分ではあるけども。
イベントに参加しなかったユーザーのうち3割は、事前に知っていたら参加していた
とイベント、チケット業界では言われています。
どれだけ頑張ってもチケットが売れ残ったり、売れても空席になったり、ダフ屋などの二次流通業界が問題になったり、色々ありますが本当に参加したいユーザーに適正な価格と手法でチケットを届けられる仕組みを各社頑張って開発したり運用を考えています。
ForYouは、この最後の3割に情報を届ける事ができるのかどうか?
またイベントに参加した人の満足度をさらに高める事ができるのかどうか?
これからに注目しております。