日本最大級で無料で誰でも簡単に使えるチケット販売、イベント運営サービスのPeatixが2016年1月1日より手数料を値上げすることになったようです。
デジタルチケットが手数料を値上げするということ
手数料が安いのがメリットでもあるデジタルチケットにおいて、手数料がこのタイミングで上がるというのは、当初想定していたビジネスモデルから、想定外のことがあったのかもしれません。
しかも、業界最大手であるPeatixが値上げというのは、王者の戦略という側面もあるのか、でもそこまで市場シェアは高くないような気もします。他社よりは優位な位置を手に入れてるとはいえ。
対象となるイベントは、「2016年1月1日以降に決済されたチケット」で、手数料の値上げ幅は2%+29円分となり、ザックリ40%強の値上げです。
色々なイベント主催者にPeatixを使っている理由を聞いている時に、上がってくる理由は「手数料が安い」のと「検索したら出てきた」という2点が多いので、この値上げがどう影響をするのか。
今後の展開を考えたときに、値上げ分を原資にシステム開発を促進して他社との差別化をつけ、より広いイベント市場を取りに行くつもりなのかもしれません。
(ちなみに、Peatixは2013年2月9日午前2時9分以降、手数料を6%+70円から2.9%+70円に値下げした過去があります。)
手数料値上げの考えられる要因
今回、Peatixが手数料を値上げする理由を外から見て考えてみました。
・今までの手数料が安すぎた。
・株主/投資家からのプレッシャー。
・競合他社は手数料5%~で運営している。
・他社のデジタルチケットの方が高機能。
・デジタルチケット最大手なのに利益率が低い。
・有料プラン(コンシェルジュ)がうまくいってない。
こんな感じでしょうか。
Peatixは機能がシンプルで「とりあえずイベントをやりたい」というターゲットやアーリーアダプターに対して親和性が高く、2014年途中から一気に広まっていったものの、想定規模に到達するのに時間がかかったり、『単純に手数料が安くて便利』だけじゃ主催者が使うチケットサービスを変更するほどのインパクトは無かったのかも。
そういえば、DMMに買われたTixeeは5%+99円なので、そのTixeeよりも0.1%安いよ!っていう手数料の設定が非常に気になるところです。
2.9%+70円 から 4.9%+99円
チケットが3,000円の場合(100人規模)
【値上がり前】 3,000×0.029+70×100=7,087円
【値上がり後】 3,000×0.049+99×100=10,047円
差額 2,960円
チケットが6,000円の場合(100人規模)
【値上がり前】 6,000×0.029+70×100=7,174円
【値上がり後】 6,000×0.049+99×100=10,194円
差額 3,020円
総売上が多ければもんだいない金額かもしれませんが、売上10万円前後やそれ以下のイベントですと、少し痛いかもしれないですね。
これを原資に開発体制の加速や利益の還元、デジタルチケットの啓蒙活動や、チケットスポンサー費用などに振り分けて、より大きい市場を狙っていくと予想します。
ちなみに、ライブポケットは手数料5%のみで運営し、しかもビックリするくらい機能が豊富(色々できて迷う)なので、こちらもよろしくお願い致します。
【追記】
Peatix、値上げしました。