2017年に設立されていたLINEグループの新会社「LINE TICKET 株式会社」が、ついに電子チケットをスタートさせた。
(早速LINEアプリにはLINEチケットの文字が)
LINEチケット(電子チケット)とは
月間アクティブユーザー数が7600万人を超えるというLINE上から、チケットの検索・購入・発券が可能な電子チケットサービスだ。
現時点ではまだ主催者向けの詳細情報は明らかになっていないが、昨年からイベント主催者や各音楽レーベル、フェス主催企業などにLINEチケットがコンタクトを取って来ているという情報は、エンタメ業界でも聞こえてきていたので、ようやくリリースされたといったところだろうか。
LINEチケットの決済方法
完全な電子チケットのLINEチケットは、クレジットカード決済、コンビニ決済以外にLINE Pay決済に対応している。
クレジットカードは当然として、コンビニ決済にも対応しているのはクレジットカードを持たない若年層を考慮してだろう。(手数料は高いが) ただキャリア決済は導入されなかったようだが、これはただ手数料が非常に高いからだと考えられる。(クレジット会社とキャリア会社の手数料が加算され、原価だけで一般的な電子チケットの手数料5%を超えてしまう)
ただ、LINEが特にプッシュしたいのはLINE Pay決済だろう。中長期的に見てもLINE経済圏を確立させるためにLINE Payでの購入ができることで、今後はポイント還元か何らかの金額的メリットとなるキャンペーンが提示されるかもしれない。
LINEチケットの受付方法
電子チケットの受付方法は一般的にはQRコードだが、現在発表されている情報を見る限り、どうやら違うようだ。受付で直接画面を見せ、スタッフが特定部分を2回タップさせて受付とするようだ。これは「ユーザーが間違って受付処理してしまう」というリスクがあったが、例えばイープラスの電子チケット「スマチケ」であれば、イベント当日の開始時間の前後数時間のみ受付処理ができるように制限することで、かなりのミス軽減が達成できたことから、同様の対応をしているのかもしれない。
LINEチケットの今後の展望と強み
LINEグループでは各サービスがあるが、2018年11月を目処にLINEミュージックと連携を予定している。また、2019年以降は2月にスポーツチケットの取扱に向けた機能拡大、3月にLINE公式アカウントとの連携(メッセージ配信)、そして2019年中には座席指定機能が導入されるとしている。
「LINE LIVE」や「LINE公式アカウント」を持っているLINEにとって、こことの連動はマストであろうし、公式アカウントでファンを多数抱えているアカウントについては手数料を割り引くなどのサービスを行う事で強力な囲い込みが可能となるだろう。
また、二次流通を公式リセールとしてLINEチケット上でコントロール出来るというのは非常に大きな強みになるかもしれない。
イベントやライブに行けなくなった場合の二次流通の可否、また二次流通の設定価格をチケットごとに事前に主催者が決めることができる。これで転売ヤーと呼ばれる悪質な高額チケット転売業者や、それを目的とした大量購入を防止することができ、本来行きたかった人が適正価格で参加できるようになる。
あとはこれが使いやすいかどうかだけだ。
電子チケット各社の展望
最も競合となり影響を受けるのは、チケット手数料が収益の柱となっている大手プレイガイド・チケットサービスだろう。具体名を上げるとイープラス、チケットぴあ、ローソンチケットなどだ。
とは言っても各社は券売エリアを利権として確保しているし、大きなイベントには「チケット協賛 *1」として出資しているので急に牙城が崩れるようなことは無いだろうが、長い目で見た時にはユーザーの手数料が安い、ユーザーが付いている、チケットが売れるサービスにシェアが移っていくだろう。
このうちどこの部分を強化して対抗していくのか、今後の展開が楽しみだ。
LINEチケットオフィシャルアカウント
Twitter:@lineticket_jp