ちょっと間が空いてしまったけど、Webメディアのカメラセミナーに行ってきたので、カンタンなレポートを。(写真中心だから読みやすいはず)
会場となったスマートニュースが会社から徒歩で行ける距離で、しかも無料だったのもあって見かけて即申し込んでみました。主催はウートピ(ザッパラス)で講師を務めるのは「竹内洋平」さん、ウートピのコンテンツでもよく撮影をお願いしているカメラマンだそうです。
スマニューのイベントスペースかっこ良すぎる。
今回の目次はこちら
- 撮影の基本
- 人物メインの撮り方
- インタビューの撮り方
- ブツの撮り方
- アプリ紹介
- 休憩
- グループワーク
- 質疑応答
竹内洋平さん紹介と共に人物、食べ物で実際に仕事で撮られたものがスライドに。
いい写真って何だろう?Web編集者のためのカメラ講座スタート
いい写真って言うと感覚は人それぞれ、正解の無い問題かもしれません。そこをこの講座では「技術+想像力」と仮定して
・技術は【 構図 色合い ライティング 】の3要素
・想像力は【写真の掲載先、読者層、伝えるべきこと】を考えながら撮るということ。
そこを元に進めていきます。
撮影の基本
この2枚の写真、左側の問題点である【 構図が雑 色がオレンジっぽい 明るさが適正でない 】というものを右側で改善しています。
立つ場所、逆光、色味を調整するだけで全く見違えた写真になるのが分かると思います。
まずは「構図」について、水平、垂直を見ていきます。
- 被写体を中心以外に置いてみる。
- 寄り、引きをはっきりとする。
- そして人以外に映り込んでいる、背景の要素もスッキリとさせるのがポイント。
よく「人に刺さる線」が入らないようにするなんて言いますが、それもポイント。(この写真では人物の真下に線がありますが)実はこの写真は左側は少し全体が傾いていますが、他にも「写真 構図」で調べると10種類くらいパターンがあるので、気になる方は調べてみるといいでしょう。
被写体を中心以外に。
寄りと引きをはっきりと。
これは極端に寄ったり引いたりしているうちに感覚を掴んでくるので、とにかくたくさんシャッターを切るのが大事。
ホワイトバランスはカンタンにできて写真のイメージを大きく変えられる。
これは白を白く撮るための機能なので、電球や蛍光灯、晴天、曇天、日陰、フラッシュなど、撮影場所に合わせて変更しましょう。
このパンケーキ、左の写真が朝ごはんっぽい、右側がおやつっぽく見えませんか?ホワイトバランスを変えると表現を変えられるんです。左側が青味がかっていて、右側が赤味がかっています。
露出補正で被写体に適した明るさを
逆光で暗いのは外の明るさで合っているので顔がきれいに見えるよう調整しましょう。すると外が白飛びするくらい明るくなります。
調整だけでこんなに変わる写真の明るさ
ホワイトバランスの調整、猫の場合。
人物メインの撮り方
人物を撮る際に大切なのは、
- 場所
- 光
- コミュニケーション
の3点です。
最近よくプロフィールやインタビューで見かける背景が真っ白な写真。
これは背景がゴチャゴチャしている悪い例。
場所と背景との距離、ポジションによってスッキリと見せられます。
悪い例の写真を撮った時のカメラマンと被写体と背景の距離感に注目。
このように配置すれば奥をボカして立体感があって落ち着いた雰囲気にできます。
光を上手く使う方法は、以下の3点に注意しながら場所選びをするところから
- 顔に影のできない場所
- 明るい場所(窓際)
- 屋外
左側のように光源(ライト)が真上にある場合と、横にある場合
ライトはこんな場所にあります。
窓際の時は部屋の電気を消すといい感じになることが多いので、ブラインドから漏れる光や、窓を写さなくても木漏れ日で撮れることも多いです。
屋外での撮影は、顔に直射日光が入らない場所の方が綺麗に撮れます。この3枚、左の写真は屋根があるけど露出補正で綺麗に撮れていますね。
カメラマンはモデルとコミュニケーションをとるのも大切。
撮影前に被写体と会話をする、撮影した写真を相手に見せる、楽しく撮る。個人的にこれがかなりハードル高いなぁと思うところ。。。アイドルのこんな笑顔を引き出せるようになりたい。
取材でよく遭遇するインタビュー中の撮り方
インタビューでのポイントは【背景、アングル、顔はずし】の3点。
まずは背景をスッキリさせるところから。この2枚の違いは分かりやすいと思いますが、どこが背景に適しているか探す、さらに不必要な物があれば整理するの2点を徹底するだけでいいイメージに。
同じ位置からだけではなく、上下左右から、さらに寄ったり、引いたり。上下左右と寄り引きで8パターン以上あると面白いので、色々なアングルから撮りましょう。
余計な映り込みを避けられ表情もよく見える寄りの写真をうまく使えるとよりいいですね。
寄りと引きはこれくらい大胆にやっても大丈夫。
竹内洋平さんオリジナルの「顔はずし」というテクニック
インタビュー時に手元や持ち物なども撮影してみる方法で、その人の仕事やインタビュー内容に合うような持ち物、ミュージシャンの手、ライターのメモ帳、お茶、デザイナーのジュエリーなど。記事の途中に挿入すると場の空気感も伝えられそう。
確かにこんな写真たまに見ますよね。
最後はブツ撮り
これは【観察、逆光、望遠】の3ポイント。
ブツ撮りはまず、特徴をつかむためにとにかく観察をする。そして特徴の引き出し方を考える(形、おいしさなど)この写真では層になっているクリームと生地がポイントなので寄ってみることで、より魅力が増しています。
続いて逆光。
逆光で撮影すると立体感が出るが、影が強くなるので明るさ調整はしっかりする必要があるため、レフ板(白い紙)も使ってみるといいようです。ちなみに窓際はいい光が入ってる事が多いので、料理の撮影をする際は窓際のテーブルがオススメです。
ちょっとわかりづらいけど、フルーツとケーキの手前側が陰になっているかどうかの違いです。
手前と奥の両サイドからケーキに光が当たる事で浮かび上がったような写真が撮れます。
レフ板を持ってなくても、白い厚紙でカンタンに手作りできるので、ぜひ。硬いボール紙に白い画用紙やペーパーを貼っただけで完成です。
手前に置いて逆光を反射させケーキに当てるように。
望遠側で撮影すると写真に歪みが出ない、余計なものも写らないので、ズームを望遠側にして写るところまで自分が下がるようにすると、背景の写り込みも減り効果が出やすい。
左が広角、奥の壁や影なども映って手前と奥で若干の歪みが発生していますが、望遠で撮ることで周りの情報をカットして対象にしっかり寄ることができます。
最後に質疑応答とオススメ無料現像ソフト「fotor」
菊永のように多少の勉強はしたものの独学で普段の撮影をしていると、情報が体系的に頭に入っていないので他の人に説明するのが難しいんですよね。しかも菊永は人物撮影が苦手だったりするので。それがしっかりと基礎から教えてもらって頭を整理できたのですごく有意義な時間でした。
質疑応答では
「F値」とはボケの調整に使って「5.6」くらいが一番綺麗に撮れる。
「ISO感度」低い方が画質のクオリティは上がる。しかし夕方や夜に屋外で撮影する際は上げないといけない(画質が荒くなる)ので、ここで高級なカメラとの差が出てくる。
なんてことを解説。
そしてオススメ無料現像ソフトですが菊永も初めて知りました。
fotor(フォトール)https://www.fotor.com/jp/
これはwindowsでもMacでも使えるフリーソフトで、「自動」設定だけで写真が綺麗になる魔法のようなソフト。こんなちょっとくらい写真でも画面右側の項目で、自動→WBと明るさを変えているんです。
ほぼワンタッチでここまで。これなんて魔法。。。?
料理の写真でも色々とカンタンに変えられるので、PCでInstagramを使っているような感覚になるくらい簡単。なんだこれ。
最後にこのフリーソフト、おまけのインパクト強すぎや。
イベント概要
日程:2016年9月15日(木)
時間:18時半開場、19時開演、21時終了(予定)
場所:スマートニュース株式会社
料金:無料
定員:70名
講師:竹内洋平(たけうち・ようへい)
1985年生まれ。神奈川県出身。東京工芸大学芸術学部写真学科を卒業。2011年、東京工芸大学芸術学部写真学科研究生課程修了。同年、東京大学生産技術研究所映像技術室に勤務し、2013年にフリーランスカメラマンとして独立。
持ち物:各自カメラ、PC