カメラマンって何を考えているんだろう?技術じゃない考え方や生き方が分かる本 5冊

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写真には感情や想いや気持ちなんかを込められると話しているカメラマンの方は多いし、実際自分もそう思っています。

そこで写真の技術や被写体、カメラ本体やレンズではなく「カメラマン」に軸を置いた、特に内面的な気持ちとか感情的な部分をターゲットにした本を読んでみたいと探して見つけては読んで、というのを昔から続けていたものの中から、これは面白かったと思った4冊をご紹介します。

紅葉の写真

(2016年11月18日、長野県小諸市懐古園にて菊永が撮影)

ちなみに人生初めてのカメラは10歳の時に買ってもらったオリンパスのフィルムカメラでした。その後は1999年くらいにオリンパスの4040でデジカメデビューして、NIKON FM2に行ったりコンデジではパナソニックのLUMIXシリーズを愛用して、今はOM-Dを一番よく使っています。ポラロイドのX-70とかプレミアムコンパクトが欲しい。

ウイスキー! さよなら、ニューヨーク(宮本敬文)

2010年11月25日に発売。宮本敬文さんが日本の写真の大学を卒業し、22歳でアメリカに渡りニューヨークで写真の大学院にて勉強しながらプロのカメラマンとして生きていくエッセイ。

写真はほとんど無いけれど、その物語(ノンフィクション)に徐々に引き込まれ最後には涙する、写真家としての半生を振り返るような本。渡米というバブル当時のカメラマン人生の主流とは違う生き方を選んだ彼がどんな事を体験してどんな事を考えていたのか、そして彼の飼い犬であり人生のパートナーでもあった「ウイスキー」との触れ合いを通して語りかけてくる言葉はまさに「カメラマンの人生」と言えると思う。

今年の夏に亡くなられたのが本当に悔やまれる。

日本の大手広告代理店ともお仕事をされていて、この本の発売後、日本に帰ってきてからの活躍とかも色々知りたくて、調べているところ。

戦場カメラマンが書いた「イラクの中心で、バカとさけぶ」(橋田信介)

戦場カメラマンと言えばあの人の顔が思い浮かぶ人も多いかもしれないけれど、不肖・宮嶋の上官と呼ばれフリージャーナリストとして、ベトナム戦争から湾岸戦争、カンボジアの内戦、ボスニア内戦、アフガン戦争などの戦場を撮影し続けてきた1人のカメラマンのリアルな体験が読みやすく書かれている本。

「首都陥落後の国ほど危険なところはない」世界の戦場を肌で知る男が空爆下のイラクに非合法潜入。テレビ・新聞が報道しないイラク戦争の裏側を描いた傑作取材記。

っていう解説文言にも惹かれる。

普通に考えたら戦場に行きたい人なんてよっぽどのサイコパスでもない限りいないはずなのに、そこにしか無い「人間のリアル」を求めているのか、戦場と呼ばれる場所でも日常を生きている人達の生活を伝えたいのか、テレビやラジオで報道していないところまで見えてくる。

文体はすごく面白いし笑える表現もあるが、発売した2004年の5月に武装勢力に襲撃され帰らぬ人に。。。

この本以外にも数冊出しているので、面白いと感じた人は色々読んでみるといいかも。

ひらあやまり(嬉野 雅道)

水曜どうでしょうのカメラマンでお馴染み、『うれしー』こと嬉野雅道さんである。

「愛と平和と商売繁盛」は名言だと個人的に思っている。純粋なカメラマンじゃないかもしれないし、主に映像・動画のカメラ担当ディレクターとして水曜どうでしょうに参加。

この人の本からは大泉洋や鈴井貴之といった被写体との関係性がカメラマンとして大切な事が伝わってくる。被写体が人間の場合、モデルやタレントのインタビューでもやりやすいカメラマンとそうでないカメラマンがいると答えている記事はたくさんあるし、特に大切な写真集などでは分かり合えているカメラマンを指名する事も多いと聞く。

有名なカメラマンの場合、ライブやイベントではヘアメイクと同様にオフィシャルカメラマンとしてのスケジュールを確保するのも大変らしい。一方的に撮るだけじゃない何かがないといい写真、いい映像というのは残せないんだなぁ。

そして、この本にはどうでしょうファミリーにとっては、普段とは全く違ううれしー本人の写真が多数収録されているのもポイント。

写真がもっと好きになる。(菅原 一剛)

ほぼ日刊イトイ新聞で連載されていた人気企画が書籍化。

毎日、写真を撮るのが好きになる実践の本。「撮影して、出来上がった写真を見て、満足できて、その写真を人に見せたら、すごく喜んでもらえる」。そんなふうに写真が好きになるには何をしたらいいの? 機材やテクニックのほかにも、実践したら楽しいことが、この本にはたくさん書いてあります。

と紹介されていてAmazonに行って即ポチった本。

買ったのはかなり前なのに途中で止まってたからまた読み進めている。

写真をうまくなるにはとにかくたくさん撮ってみて、撮った写真を自分で見てみて、感じた事や考えた事を踏まえてまた写真を撮って、それを繰り返すのが必要だと思っているんだけど、そのために「毎日写真を撮る」ことが好きになったらすごくいいんじゃないかなと思って。

SNSに上げて誰かに「いいね」だけじゃない「言葉」をもらうとすごく励みになるし、そういう感情をもっと写真に込めていきたいなーと思う。

読み終わった後には、続編の「写真がもっと好きになる。写真を観る編。」も読んでみたいと思っているし、いつか(遠くないうちに)ワークショップにも参加したい。

本のタイトルもいい。中身もほぼ日の世界観も出ているし、読んでてふんわりした感じになるし、本人はちょっと宮﨑駿っぽい雰囲気がある。

菅原さんのインスタグラム(@strawberrypicture)もすごく好きな雰囲気なので気になる人はフォローを。

カメラを持て、町へ出よう ──「観察映画」論(想田和弘)

映画監督であり脚本家・演出家でありジャーナリストでもある想田和弘さんの本。以前はNHKのドキュメンタリーを撮っていてオリジナルなドキュメンタリーの撮り方を確立。世界各国でドキュメンタリーの映画賞を受賞している。

色々な大学で講演をしたり著書も7冊ある(オフィシャルサイトより)彼がカメラを持たずに町へ出ようと言っている。そこにはきっと何かあるんだろう、と思って手に取った本。

本人が「ごく私的な方法論」と言うものの、特殊なものを深く掘り下げることで普遍的なものが見える事があり、それを狙って撮るという言葉にも何か強い意志を感じる。実際に読みすすめると、ヘビーな現実を背負った被写体についての描写もあり、それをドキュメンタリーとして切り取る時の考えかたや迷いや苦悩なんかも描かれているが、たしかにそこにはカメラが無い。

そういったたくさんの事実を頭に入れた上でカメラを構えていくのか。レンズ越しだけでは見えないものを映すためには自分の目と心でたくさんの出来事を感じて、受け止めていかないといけないのかもしれない。

強い使命感を感じる本。

以上が、今菊永が気になってる・読んでいるカメラマンのテクニックじゃない写真や映像に関する本です!

5冊の作者のうち2名が亡くなっている方だけど、またいいカメラマンのいい本があったら追記か別記事にて紹介しまーす!

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