LINEが主催したマーケター向けのイベント『Marketer Meetup マーケティング部署オフ会』ですが、応募多数により抽選となったものの、祈りが届いて無事に当選を果たしたので、お初のLINE株式会社に行って来ました。
イベントページ(Facebook)
LINEの入り口には色々なキャラクター人形が。
左からムーンとブラウンとコニー
かなり充実した内容だったので、全文ではないものの、メモできた範囲内で登壇者ごとに登壇した順番でどんなお話だったかを備忘録的にカンタンにでも残しておこうと思ったので、記憶の新しいうちに書いておきます。
LINE株式会社 マーケティング・コミュニケーション室 藤原彰二
時代は繰り返す、アメリカで流行した物が数年遅れで日本に入ってくると言われている。現在海外ではアドフラウド(Ad Fraud:広告不正)の技術が来ると言われているが、日本では2017年にアフィリエイトの2回目の流行がくるはず。そこでLINEでは新規ユーザーをアフィリで取りたい。
広告は枠から人へ、より詳細なデータ分析もできるようになる。
株式会社ディノス・セシール CECO 兼 EC本部 EC企画部 ゼネラルマネージャー 石川森生さん
若い人にはそれほど有名な会社ではないが、実は運営する2サイトで1200億円ほどの売上がある。
なぜそんなに売上があるのか、実は色々なところで在庫の取り合いとなっているバルミューダを売っている。実際に売っているので、いい商品を引っ張れる(仕入れられる)。
例えば、デロンギのコーヒーメーカー、ダイソンハンディークリーナー、40万くらいするソファ、90万のミンクのコート、カニ、腹筋を鍛えるベルト、などなど単価が高い。
そしてそういった他社製品だけじゃなく、よく倒れるダイソンのハンディークリーナー向けにオリジナルでクリーナースタンドを企画したり(約1万円)、洗濯機用の排水口が無い部屋用に洗濯機置き台とか、さらに収納家具が強いので衝立て棒を付けるだけでカンタンに収納を作れたり。
※実はアパレルでも180億売れている。
つまり、単価が高い商品がひたすら売れまくっている。
以上から言えるのは
★欲しい商品がある事が大事
★人が来る時に売る(例:正月のアメ横でカニを売る)
人の流れを掴むのが大切で、財布の紐を緩める心理的ハードルを下げること。
そしてこのテッパンな運用の自動化、販売ノウハウの非属人化するため、売れる理由を商売の本質まで落とし込むことが大切。
株式会社エウレカ 取締役CSO 中村 裕一 さん
オンラインデーティングというジャンルで展開しているpairs(ペアーズ)。先日「広報が分かってない経営者はダメだ *1」というニュースが出ていたが、中村さんも同意見との事。
実はペアーズはサービスの性質上広告が出稿できない、GoogleのGDNもTrueView(Youtube動画広告)も、LINEでの公式アカウントも作れない。それだけ広告で認知を取る事が出来ない中で、どこに投資していくのかという考え方が重要になる。
そこでオンラインデーティングならではのフレームワークを『ARRRP』と名付けた。
- Awareness:認知・ブランドイメージ
- Registration:獲得手法・登録フロー
- Retention:CRM・Push設計
- Revenue:Menu設計・CVR向上
- Product experience:UI/UX設計・新機能
これをベースにLINEもコミュニケーションアプリからゲームにユーザーを流して利益を上げているが、本サービスの前に集客する「ユーザープール」を作ってそこから流していくといいんじゃないか、と考えた。
facebookファンページ、婚活関連サービスなどの展開。
そこから流す際のLPでは、写真、テキスト、チャネル、ジェンダー、課金の有無などを分けて作り、流入を分析する。
その結果、現在のペアーズではリテンション、モバイルウェブからが50%を超えている。
さらに、レベニュー、有料会員になればサービスが潰れる事は無いはず、という事でユーザーの状況によってキャンペーン分け。(登録直後ではなく、1ヶ月後に課金でサービスなど)
さらにプロダクト、機能を削る3回のデザインリニューアル、iOS版のフルスクラッチ開発2回(1年間全エンジニアをアサインしてサーバーサイドGOを)など力の入れよう。
結果として、このジャンルでは異例の、100組以上が顔出しで喜びの声を公開してくれている。
*1 広報の価値をわかっていない経営陣は「勝つ気がない」–LINE・メルカリが語る、PRの重要性
グーグル株式会社 広告代理店営業部 エージェンシー プロダクト スペシャリスト/エージェンシー トレーナー 米満智之さん
Googleがやっている事、過去のデータから未来を予測すること。ここには統計学プラットフォームが使われている。
海外に比べて日本は細やかに広告を組んでくる。しかし細かくやりすぎると個別に見ると出稿量が取れなくなる。
広告グループは雑誌の特集を組むイメージで、興味がある人達に届けるよう意識。
完璧な検索エンジンとは、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを出すことで、広告も同じ。
あとはシグナルに対して広告を変えていく。
※この時間中にトイレに行ったのでよく聞けず。
LINE株式会社 クリエイティブチーム 谷口正人さん
ヒット記事を生み出す6つの秘訣を。
秘訣と言っても、今まで100本ほど作ってるいるが、1000本はボツになっている。
テキスト、写真、動画ときてこの1年ほどはマンガを広告に使っている。
例えば最近ではライフネット生命のマンガ『どうしてパパはカメムシになったの?』が話題になった。
これは約100万人が6分間もこの記事を読んでくれたが、このように泣かせると反応がいい(笑うのと同じ)
テーマは『自分の死後も家族の人生は続く』という事。最初はキャラを幽霊にしたが、幽霊だとシャレにならないほど悲しすぎる、もう少しポップにしてカメムシに落ち着く。
これはCMではなく番組を作るイメージ。15秒CM×20本分で5分間、これがスマホ視聴の限界だと思う。
でも5分間見てもらえればユーザー(の感情)を変えられる。単純に効果だけを求めるならいきなり結果に訴求してもいいが、間の「態度変容」が無いと長期的に先細りする
まとめ
ヒット記事を生み出す6つの秘訣というか仕組みは 金、時間、広告、感情、変化、計測
LINE株式会社 プラットフォーム事業チーム マネージャー 谷口友彦
ユーザーが企業からの情報取得する手段はメールやSNSなど様々あるが、以前と現在を比較したところLINEはニーズが2倍になっている。
そこで、チャットボットを使って自動化し、新規集客からリピート、リテンション、CVR改善も含めたパッケージを商品化していこうとしている。(している)
これを『official web app(オフィシャルウェブアップ)』と呼んでいる。→(https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1480)
これでLINE LOGINなどを使ってもらう事で「情報入力量」が大きく改善している。(10項目の入力が必須だった情報をゼロに)
導入事例は計28社?
確認したところ、導入各社でSNSログイン率ナンバーワンを獲得しているとの事。
TwitterやFacebookなどの他社より3~7倍使われている。ログインユーザーに対して自動で友達追加も可能となり、友達増加数がある会社では3.2倍になるほど。
LOCONDO(ロコンド)の事例は特にすごかった。
また、現在はプロフィールプラス登録促進キャンペーンをしているので、興味ある人はぜひ!
旅行券50万円分、Macbook、RIMOWAキャビン、Dysonハンディークリーナー、Panasonicスチーマー、床拭きロボットブラーバ、Refa CARAT、ディズニー1Dayパスポート、USJ1Dayパスポートなどなど、総計500万円分の商品が!
詳細はこちら→(http://official-blog.line.me/ja/archives/66688296.html)
Fringe81株式会社 Media Growth 事業部ゼネラルマネージャー Ravid Division マネージャー 谷島貴弘さん
第三者配信計測という領域でgoogleで最初に連携したのがFringe81(フリンジ81)。最近はYahoo!とも連携を開始。
最近、この記事がバズった『リターゲティング広告は実はそこまで成果を出していない。皆がハマる効果計測のワナ』(1000いいね以上)ことでも有名に。
目指しているのはデジタル広告における透明性の追求。
アドフラウド(広告不正)とアトリビューションで出来ると考える。現在はロボットに広告表示したりクリックしたりしているので、ビューアブルインプレッション(実際にユーザーが見ることができた広告表示)を重視していく必要がある。
そして、ブランドに対する考え方が海外はインプレッション重視だが、日本はクリック重視と違いがある。そのため「クリックされればどこでもいい」と、アダルトサイト等に自社ブランドの広告が出ていることも多い。これは長い目で見た時にもよくない。
正しい効果を計測しよう。
そのために直接以外の効果測定も可能となるアトリビューション分析を行うのがポイント。
LINEさん、広告の透明性を担保するために、ぜひ第三者連携しましょう←
ValueCommerce 執行役員D&Tソリューション本部長 加来幹久さん
LTV(Life Time Value)についてのお話。
経営=投資に対するリターンである。
そこでアフィリエイトで集客した新規顧客のLTVという観点で調査した結果を。
- LTVは1年間でアフィリエイト以外(SEO,SEM,SNSなど)より高い(3年経っても23%の優位)
- 1度アフィリで購入したユーザーは再度アフィリ経由で買う確率が高い。
- 購入単価も高い。
- 購入感覚日数も短い。
- ROAS的には伸びている。
- 予測シミュレーションの誤差1%。
- 中期的にも顧客資産は増えている。
- 売上も上がっている。
予測シミュレーションがほぼ成立するので、計算が投資対効果が計算しやすい。
※ROASとは「投資した広告費に対して広告経由の売上がどのくらい発生したか」を測る指標で、Return On Advertising Spendの頭文字を取った略語。
NET jinzai bank 代表取締役社長 志水雄一郎さん
インテリジェンスにて転職サイトDODAを立ち上げ統括部長を歴任したカリスマ。ヘッドハンターオブザイヤー2015・2016を連続受賞。
日本を勝たせるためのHRをやりたい
※すいません、話が面白すぎてむっちゃ聞いていたのでメモが追いついておりません。
・日本のマーケターの年代別給与水準
20代、30代、40代、全年代においてDODA調査、マイナビ調査の比較
・同業他社との給与比較
LINE、DeNA、楽天、上場企業平均についての平均給与と平均年齢
・上場/未上場での資産形成比較
年収、退職金、SO付与率、勤務先上場時価総額、5年後資産について上場と未上場の比較
→上場3500億、未上場5000億など
年間で数十から100社以上が上場していて、一般社員レベルでも数%のストックオプションを手にして数億円を手にしている人もいる、そんなに珍しい話じゃない。改めて自分の目的と資産などを考えてみては。
そして、ただたくさんの資産が欲しい、いい仕事をしたいだけじゃなくもう一段上の視点で『日本を勝たせるためのHRをやりたい』と考えているので、そういった人が1人でも増えるように頑張っていきたい。
興味があればネットジンザイバンクへ。
LINE株式会社 マーケティング・コミュニケーション室 室長 矢嶋聡
ネイバージャパン、NHNの頃からいる方、今年でLINEは5周年。
※他の方と話したりトイレ行ったりしていて、ほとんど聞けていません。すいません。
広報やマーケティングや宣伝など全般を担当する部署。ニュースやレストラン予約、ライブ(生放送)、ミュージック、決済などLINEの様々なサービスを連携してよりたくさんの人に使ってもらうための活動など。
内容的には多分ここの話がすごく近い気がする(同じスライドがあるから)。
http://logmi.jp/163864(ログミー)
カフェのドア横にはムーンの上司とひよこのサリーが。
以上です!
カンタンにしたつもりが6,000文字近くに笑
最近の菊永は、Webマーケの前線で仕事をしていなくて、イベントの企画や運営、タレントやアイドルのブッキング、取材インタビューなどリアル方面を中心に動いていたので、技術のキャッチアップが遅れていたな、と感じました。
Webならほぼ全ての分野でベースの知識はあると思っているので、そこにプラスオン出来る新しい知識を追いかけていればいいかと思っていたけれど、もう新しい知識自体が新しいベース(スタンダード)となるくらいに時代が変わってきているので、改めて自分の知識をフルスクラッチするつもりで勉強し直した方がいいし、しなくてはいけないとも思いました。
月並みな言い方だけど技術の進歩は速い。
第2回が楽しみです。
(今回は250名のキャパに約700名の応募があったとのことで、次回も当選して行けるか分からないけど。。。)
イベント概要
日時:11月16日(水)19時~21時
場所:LINE株式会社
住所:〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ27F